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ひまわりのキス

樋口直哉


読み始めた時はなんだか淡々と話が進んでいって,
しかもその調子がずっと続いていくからヤバイなぁって思ってたけど,
読み進めているうちに,このテンポがちょうどよくなってきて,
最後のほうを読んでるときはこの表現法が少し好きになった.

それにしたって暗い話.でも明るい話 (どっちだよ

『我々がこの世界に存在しているのは謎と謎の間に挟まれた僅かな時間に過ぎません.
そしてその二つの謎は永遠に解かれることはない.』

なーんて.
こんな台詞現実で言ってみたいねw

人はなぜ生まれて,どうして死んでいかなければならないのか.
この本が語りたかったことのひとつだと思っています.

やはり人の生を語るためにはまず人の死を語らなければならないのかなぁ.
人に死があるからこそ“生きる”という言葉があると思う.
もし死がなかったら生きている状態に対して“生きる”という概念はなかっただろう.

そんなことを思ったのは,
この本で登場する人たちがどんどん亡くなってしまうから.
家族や知人の死を通して主人公の心情の変化が描かれる.

生きている者は死んでいる者に何もできないけど,
死んでいる者は生きている者の中に生き続ける.
みたいなフレーズがどこかにあったんだけど,
読み返しても見つからない.
ちょっと頭に残る言葉だったんだけどなー.
この続きを忘れてしまった.

22:35 2010/3/1 Mon.